松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

醜悪な、そして血塗られた何か

イラク占領FAQもどき(工事中)

12/25朝、訂正**7 、タイトル。
初稿はhttp://d.hatena.ne.jp/noharra/11001101#p2
 にあります。

1 アメリカは約束しましたか?

約束しました。

われわれは以下のことを行う
* 人間の尊厳という妥協の余地のない要求の侵害に対しては、国際機関における発言権と投票権を行使して率直に発言し、自由を促進する。
* 自由を促進し、自由を求めて非暴力的に闘う人々を支援するために我々の対外援助を用いる。そして、民主主義の実現に向かおうとする国家は、その段階に応じて報われることを保証する。
* 二国間関係においては、自由と民主的機構の発展を主要なテーマとする。人間の権利を否定するような政府に対し、よりよい未来へ向けて変革するように圧力を加え、同時に、他の民主主義国家からの連帯と協力を求める。
* 宗教と良心の自由を促進し、抑圧的な政府による侵害からその自由を守るために、特に努力をする
われわれは、人間の尊厳という大義を擁護し、これに敵対するものに対抗する。
http://www.itoh.org/kagurazaka/bushdoc/bush2.html
ブッシュドクトリンII

2 イラクの情況はどうですか?

とてもひどいです。

この数十年、イラクの状況が今ほど悪いことはなかった。占領は失敗だ。親米、親イランのイラク政府はどれもこれも失敗した。新しいイラク軍は救いがたい冗談となっている。2006年11月5日 日曜日
http://www.geocities.jp/riverbendblog/
Baghdad Burning

 アルジャジーラが入手した新たな調査情報によると、イラク国民の90%以上が今のイラクは2003年の開戦前より悪くなったと確信している。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061215/1166188887

uruknewsさんからの補充あり。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061220#p9

3 米軍が撤退するなら暴力・武力事件は減るでしょうか?

おそらく減るでしょう。

 イラク国民を対象にした調査では、回答者のほぼ66%が、もし米軍が撤退するなら暴力・武力事件は減ると考えていた。

 38%は、マリキ首相にイラクの現状を改善する能力を「信じない」と回答し、ほぼ90%が政府の約束と実行力はひじょうにお粗末だと述べた。

 政府系の治安部隊では国をコントロールできないと感じている者は36・5%に昇った。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061215/1166188887

4 米軍は虐殺しましたか?

虐殺はあったと思われます。

 昨年11月、アメリカの海兵隊によるハディッサ攻撃で家族7人が殺された。生き延びた家族の1人イマン・ワリドさん(10歳の少女)がビデオで証言する。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061223/1166840373
Yahoo!ジオシティーズ - <イラク情勢ニュース URUK NEWS> 速報&コメント 2006.10〜

 ロイター通信(12月8日、ティクリート発)によると、イラク警察と地元住民は子ども6人、女性8人を含む32人の市民が8日の米軍空襲で殺害された。だが米軍は、女性2人を含むアルカイダ戦士20人を殺害したと発表し、子どもの死亡については否定した。 Iraqis say US raid killed 32, including 6 children
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/comment/20061209/1165640397
Yahoo!ジオシティーズ - <イラク情勢ニュース URUK NEWS> 速報&コメント 2006.10〜

5 米軍増派に効果はあるか?

ないと思われます。

 だが米軍が過去にアンバル州で実行した掃討作戦の経験では、掃討作戦によって一時的にその場所ではレジスタンスの姿が消えても、米軍の大部隊が去るとまた戻って来るという繰り返しであり、掃討作戦の効果を疑う現実論も軍内部に強くある。そのうえ、米軍全体の兵力にその余力はもはやないとみる司令官もいる。

 ベーカー委員会でも勧告をまとめる過程でこの「増強後に撤退」を選択肢として検討したが、結局は同じような議論を繰り返したのち選択肢から排除された。浮上しては消え、消えてはまた再浮上する背景には、それでも何らかの軍事的対策が必要であるという米軍上層部とイラク戦争・侵略を強硬に主張したタカ派勢力のアセリが見え隠れしている。それはまさしく、ブッシュ政権が軍事的攻勢もとれず、かといって駐留米軍の大規模な削減もできないまま現地情勢を泥沼化させてきた過程と重なる。
http://www.geocities.jp/tomesannew/uruknews-shiro_yamamoto_1217-2006.html
第12回 2006年12月17日

6 米軍はイラクを安定化できるか?

できないと思われます。

他方、CBSのテレビ番組に登場したパウエル元国務長官は17日、イラクにおいてアメリカは敗北しつつあり、米軍の増強では情勢は転換できないと述べた。そして来年2007年半ばまでに米軍撤退を開始すべきだと主張した。 Powell Says U.S. Losing in Iraq, Calls for Drawdown by Mid-2007

 彼はさらに、バグダッドを安定させるため夏に米軍を増強したが失敗しており、これ以上はどんな試みも成功しそうにない、と述べた。「もし誰かが追加派兵を提案ししたとして、仮に私がまだ統合参謀本部議長だったら、私が最初に質問するのはこうだ・・・その部隊が達成すべき任務は何なのか? それは本当に達成できるのか? そしてそれを達成するのに十分な兵力がわが国にあるのか?」。

 彼は軍に関わった自分の経験から判断して、陸軍が既に破綻寸前にあると指摘し、イラク以外でも陸軍と海兵隊を増やさなければならないと説明した。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan2006/view/20061219/1166508021
Yahoo!ジオシティーズ - <イラク情勢ニュース URUK NEWS> 速報&コメント 2006.10〜

7 なぜ暗殺が続いているのか?

uruknewsさんからの次の意見を入れ、「FAQもどき」の項目としては一旦削除し、付録項目とします。(井上さんからも批判、揶揄の意見有り。ありがとうございました。)
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061220#p8 に移動。

「7 なぜ暗殺が続いているのか?」について、回答の部分は間違いではないのですが、これは写真の説明として書かれたもので、この件の全貌を伝えるものではなく、このように限定すると(イスラエルがすべての根源みたいに)誤解を与えかねません。

8 アメリカはなぜ撤退しないのですか?

なんら影響力も権益も残さない撤退をアメリカがしたくないからです。

 他方、アメリカがレジスタンス組織と接触・交渉を持とうとしていることは事実であるが、これまでのところ主要なレジスタンス組織の対応は一貫している(※)。それは交渉を拒否しないが、交渉の前提として米軍が無条件かつ全面的にイラクから撤退をすること、レジスタンスを前政権を継承するものとして正統性を認めこと等である。

 この場合、アメリカは撤退後のイラクになんら影響力も権益も保持できないことは明らか。つまり、いずれにしても米軍が追いだされないかぎり、アメリカの模索する撤退戦略はイラクへの権益確保の策略でしかありえず、イラク国民が満足できるものではない。
http://www.geocities.jp/tomesannew/uruknews_Shiro_Yamamoto.html
解放のゆくえ−−イラクは今

9 レジスタンスは勝利しつつあるのですか?

そういう見方もあります。

防御段階の側面から見るとさらにこの傾向ははっきりしていて、ファルージャナジャフの戦いは典型的な住民による都市防衛戦として行われたことです。
この戦いの意義はゲリラ戦士と住民の結合した抵抗が、大兵力を擁する米軍に十分対抗しうることを証明し、占領軍はこのふたつの攻勢によって一気に抵抗を鎮圧し、イラク人民を屈服させると言う目的に失敗したことです。
さらに占領軍にとって重大なことは、この戦いによってそれまで何らかの期待や好意をもっていた住民の中の一定の層を一挙に失い政治的に敗北したことであろうと思います。(12/2 NK)
http://6528.teacup.com/uruknews/bbs?OF=26
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追加:次の記事も参考にしてください。(uruknews 投稿日:12月26日(火)14時19分による補充。)

イラク戦争では<時間>も武器に
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan2006/0605_Time_Is_a_Weapon.html
「対ゲリラ戦争は勝利しなければ敗北するが、ゲリラは敗北しなければ勝利する。」

◆占領反対のイラク人指導者が語る 2006年10月22日
ロバート・ドレイフュスがサラハ・モフタールにインタビュー
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2006_Robert_dreyfuss-Mukhtar.html

◆ レジスタンスと独立のプログラム 2006年10月
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2006_Baath_10-2006.html

イラクレジスタンスは今後10年の戦闘態勢
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2005Salah_al_Mukhtar.html

◆米国が敗北する理由
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2005Abdul-Ilah_Al-Bayaty.html

イラクレジスタンスの政治・戦略方針
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2005Strategic_Program.html

◆『重要なことは戦闘員の数ではなく支持する市民の数だ』
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2005CEOSI_IraqiResistance.html