松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

Kojii.net コメント欄の続き


http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_7f03.html
Kojii.net ココログ別館: ちょっとぶちまけてみたくなった

あなたが書いていることは、「自衛隊イラクから引っ込むべきだ」という結論に都合がいいように、テキトーなストーリーを書いているに過ぎない。

>誰の利益の為の誰の問題なのか

全世界の問題です。当のイラク国民が「その気」にならなければならないのは事実であるにしても、イラク国民 *だけの* 問題でもない。
それは私が先に書いたように、昔のような鎖国時代と違って世界各国が経済的に互いに依存関係にあり、ある国で発生したイベントや事件が他国に波及して影響をもたらすからです。江戸時代とは訳が違います。

アメリカがイラクで失敗したのは事実。しかし、失敗したから出て行け ? 出ていった後に何が起こるかは知ったことじゃないとでも ? それはまた能天気な。そもそも、アメリカが撤退すればすべて片付くわけではない、という点に同意しておきながらそれをいいますか ?

はっきりいいましょう。現時点で国際社会が「これはイラク人の利益の問題ですから、自分でどうにかしてください」といっていきなり放り出せば、第二のアフガニスタンができて、それこそ平和な世界がテロでグダグダになるでしょうね。それを防ぐには、尻拭いといわれようが何をしようが、国際社会が力を合わせて、現状をいくらかでもマシにするための手を打たなければならない。これこそが本物のリアリズムです。

それとも、アメリカには撤退してもらって、代わりにロシア・中国・イランあたりにどうにかしてもらえとでも ? いやしかし、「イラク人の問題だ」と断言しているのに、それはないでしょうね。

なにもイラクアフガニスタンに限らない。介入が失敗に終わり、国際社会が見捨てた後のソマリアがどんなことになったか、知らないわけではないでしょう。同じことをイラクでも繰り返せと ?
あるいは、国際社会の介入を当事者が拒んでいるスーダンダルフール震源地になって、隣国のチャドや中央アフリカにまで火の粉が降りかかっている例もある。それも「当事者の問題だから、権利がないやつは手を出さずに放置しろ」と ?

ついでだから、日本がイラクに関わると焦土になる過程について、筋道立てて説明していただきたい。焦土になると断言しているのだから、どうしてそうなるか、論拠があってのことでしょう。太平洋戦争で日本の主要都市を焦土にするには 16 万トンの焼夷弾を必要としましたけれど、それだけの攻撃力がどこからどう沸いて出てくるか訊いてみたいですね。

Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 11:28:57 PM

ああそれから。

>日本が「対案」を持っていって一体誰が取り上げてくれるのですか?

「泥沼から抜け出したい」といって、一人とっとと逃げ出すような国のいうことなら、それこそ誰も取り上げてくれないでしょうなあ。国際社会で発言力があるのは、自分で実際にアクションを起こしている国だけです。
日本以上にイラクアフガニスタンと縁がなさそうな東欧諸国から、わざわざ MNF-I や ISAF に部隊を派遣している国があるのはなぜか。そうすることで国際社会におけるプレゼンスを高めて、発言力を高めて、下世話ないい方をすれば「貸し」を作るためです。

>脳髄を犯されて
× : 犯されて
○ : 冒されて

Posted by: 井上 | Dec 9, 2006 11:35:59 PM

もうひとつ。

>権利と能力を持っていない場合、イラクにおける米国が
>まさにそれに当てはまります。

と書いておきながら、

>米国は敗北を自認しイラクから退却するべきでしょう

とはこれいかに。つまり、権力と能力を持っている奴に出て行けと。そしたら誰が事態を収拾するんですか。それとも、「やっぱり、アメリカが出ていけば全部解決します」とでもしますか ?

Posted by: 井上 | Dec 10, 2006 12:20:22 AM

読解力にはそこそこ自信がありましたがそれにしても難解な文章と言うか…
できる限り解釈してみたのですが(いちいち頭が勝手にツッコミを図るので大変でしたが)、どうもアメリカは既に占領統治に失敗しており、失敗したからイラクに対してすべての権利を失っている。よって出て行けと仰っているのではないでしょうか。
でもこう解釈するとテロさえ鎮圧できるならアメリカがどんなえげつない占領統治してもOKということになってしまうし…

それにしてもどれだけ読んでも問題の解決を思考されているようには読めないのですが。

Posted by: flanker | Dec 10, 2006 12:56:17 PM

 いや、井上さんちょっとオーバードライブ気味ではないかと。

>権利と能力を持っていない場合、イラクにおける米国が
>まさにそれに当てはまります。

 つまり、ここ「だけ」素直に読めば、米国は問題に対応する権利と能力を持っていないと、彼的には主張して居るんじゃないかと、だから井上さんの非難はそこだけは当てはまらないです、ちょっと暴走気味。

 だからと言って野原氏が人の事をトンチンカン呼ばわりできるほどわかりやすい文章を書いてるようには思えません。

 アメリカはイラクの現状にコミットする権利と能力を持っていないと野原氏は主張(ハイ、ここ読み取り間違えてたらごめんなさいね)しますが、現状、イラクの治安に幾ばくなりと影響力を持つのはアメリカでしょう、能力的にはあるわけで、そのあたりに目を瞑っていらっしゃるのでしょうか、アメリカはすべてを放り出して出て行け、そうすれば自然に収まる、そう主張していらっしゃるとしか思えません、世の中、そんなシンプルかつ気楽に片付けばいいのでしょうが、それで問題が解決するのでしょうか。
 で、そう言う問いかけを「対案を出せ攻撃」だの「議論の本質から逃げている」何だの言う(世間一般では非難と言いますが)のは勝手ですが、人はそれを無責任な人だと見る場合があるでしょう。
 また、世の中、あなたと同じ事を判断基準にしている訳じゃないんですね、あなたの知らない事何かがその基準になっている可能性は高いですし、あなたがこれは正しいと思っている事をこちらは別の筋から得ている情報で同じような判断は下さないかも知れない、そこが理解出来ない限り、多分、同じ庭にいる事は出来ないんじゃないかな。
Posted by: ooi | Dec 10, 2006 3:31:32 PM


 僭越ながら、一言。

 野原燐氏の説明によりますと、アメリカは自ら望んでイラクにずっと兵を留めているかのようです。しかし、アメリカとしてはむしろ、イラクなどさっさと放り出してしまいたい、というのが本心ではないでしょうか?イラクが忠義高い親米国家になる見込みも薄いし、米軍の駐留費用はかさむし、米軍兵士の死者は増える一方だし、国内世論は道義的な観点からもイラク駐留を非難し始めている。要するに、ベトナム戦争と同じ状況です。「名誉ある撤退」が可能なら、それに越したことはありません。
 問題なのは、イラクにはベトナムで言うところの北ベトナム政府にあたるアクターが存在しない、ということです。イラクに新たな政府が育つ前にアメリカが出て行ってしまったら、イラクを責任を持って統治しようというアクターがいなくなってしまう。テロ組織は、残念ながら国家の統治能力までは持ち合わせていない。独裁者を倒したはいいが、新たに「破綻国家」を作ってしまっては元も子もない。
 そこで困ったアメリカとしては、早急にイラク政府とイラク軍を育て、イラク全土の統治と治安維持を任せようとしているわけです。「とりあえず任せた。後はよろしく」ということにしてしまえば、その後イラクで混乱が起きようと、それは「イラク政府のせい」と言い訳ができますからね。

 アメリカに「さっさとイラクから出て行け」といえば、確かに出て行くでしょう。しかし、今すぐにアメリカがイラクから出て行くことは、アメリカが無責任にもイラクを放置していくことになります。それは、果たして道義的に許されることでしょうか。かえって、アメリカの無責任を助長することにはなりませんか。
 アメリカのイラク侵攻に関する責任を追及するならば、むしろアメリカには、イラクのために尽くさせるべきであると、私は考えます。

Posted by: NISSHA | Dec 11, 2006 12:42:05 AM

>米国は問題に対応する権利と能力を持っていないと、
>彼的には主張して居るんじゃないかと

ところがですねえ。野原氏御本人の日記には、

>>でそのためにはどうすれば良いか。2年前に書いたように、
>>イラク人ライードさんの判断によれば、答えは簡単だ。
>>>事態の解決は,ブッシュ政権イラク人に任せてください。
(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#p1)

とあるんですよ。その発言が正しいと思ったから引用したんでしょうに、その一方で「アメリカは失敗したんだから撤退しろ」とやったら大矛盾です。

Posted by: 井上 | Dec 11, 2006 9:02:09 AM

 ああ、やっぱそこまで辿って突っ込んだんですか、多分自分の書き込み中の整合性ぐらいしか取ってねえだろうと思ったのが先のツッコミだったんですが(ナニゲに酷いこと書いてるな、自分。)

 まー、たぶん

>>でそのためにはどうすれば良いか。2年前に書いたように、
>>イラク人ライードさんの判断によれば、答えは簡単だ。
>>>事態の解決は,ブッシュ政権イラク人に任せてください。
(http://d.hatena.ne.jp/noharra/20061209#p1)

 のウチ、「イラク人がイラク人に任せろと言った」とまあ、ブッシュ政権の下りをオミットして脳内変換しているんじゃないかと思量。>人の思考を勝手に推測するのはよくないですね?

 ま、あの人の中では整合性は取れているのかも知れませんよ、「反米・反権力」というポリシーにさえ沿えば、と言う但し書きが付きますが・・・まさかその中の矛盾は「記述のブレ」とか言って片づけられるのかッ!

 すいません、すべりますた。

>余談。
 先の発言の内、だから、以降の後半部分をカットしてコピーしてたら私、笑いますけどね、全く持ってお里が知れると。

Posted by: ooi | Dec 11, 2006 9:57:40 AM

お気になさらないでください。私がいちいちソースをちゃんと書かなかったのもいけないので。

野原氏、トラバを頂戴した「孤高」さんにも戦線を広げてしまいました (しかも誤爆してるし)。攻勢終末点を無視してドンドン戦線を広げていくさまは、まるで 60 年前の日本を想起させます。御自身の日記が炎上して「焼け○○」になっちゃっても知りませんよ ?

Posted by: 井上 | Dec 11, 2006 11:26:45 AM

× : 60 年前
○ : 太平洋戦争当時

Posted by: 井上 | Dec 11, 2006 12:32:38 PM

応答がいつも遅れるわりに、語調が高飛車ですみません。
お返事が、日曜日以降になります。すみません。

Posted by: 野原燐 | Dec 14, 2006 7:18:05 AM

アメリカがイラクに関わる資格はない」「自衛隊を撤収しろ」と繰り返すだけなら、私がすでに書いたことの繰り返しになって無限ループするだけだから、意味ないですよ ? そこのところをしっかり御理解いただいた上でどうぞ。

Posted by: 井上 | Dec 16, 2006 7:00:32 PM
Post a comment
http://kojii.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_7f03.html
Kojii.net ココログ別館: ちょっとぶちまけてみたくなった

(12/17転写)