松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

「多くの人間がテレビの影響下にある」

アンナさんが籍を置いていたノーヴァヤ・ガゼーダという新聞、ロシアでの発行部数は約40万部。新聞といっても月2回発行で、モスクワとその周辺に住むいわゆる「インテリ層」が主な読者だそうで、実際ロシアにおいてアンナさんは著名とは言い難い存在だったそうです。
●ロシア政府がメディアを掌握

政府が主要メディアを支配してしまっていて、そしてロシアという国は日本以上に「テレビ」に影響力があるんだそうで、「言論統制」をするまでもなく、国民はテレビを見て物事を判断してしまうので、いくら政府批判のサイトが存在しようと、独立系メディアが吠えようと、全体として影響は無いのだそうです。

確かに「言論の自由」が「ないわけではない」けれど、多くの人間がテレビの影響下にある…って、どこかで聞いた話ではないですか?というところで、林さんは「日本と似ている」と問題提起。

たとえば東京新聞のように頑張ってる新聞社もある。頑張ってる雑誌もある。個人サイトも含めて吼えてるものもたくさんある。

がしかし、去年の衆院選のように「テレビばかり見てる人」「あまりにもテレビの影響下にある人」が多かったため、与党圧勝という悲劇を招いてしまった。

林さんは「ぜんぜん笑えない」と、危機感を持って話をされていました。日本とロシアは似ています、と、私も同感。

「敵を作って煽る」というやり方もそっくりだというお話もされていました。林さんがロシアにいた頃、テレビ番組は何かにつけて「チェチェンは危険」と煽り、凶悪な事件も「・・というわけでこれはチェチェンの仕業である」というナレーションで締めくくっちゃうような構成のものばかりだったらしい。

今の日本でいう北朝鮮(少し前ならば中韓)が、その役割なのではないかという、頷かずにはいられない話に心底ゾッとしました。
http://chechennews.org/chn/0622.htm
チェチェン総合情報