松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

根津公子はパレスチナ人なのか?

                           根津公子
たて続く攻撃の中で2006年が始まりました。
つい数日前に一人の生徒から告げられました。

「停職で先生が校門にいた時、私は、おかしいことには立ち上がることを学んだ。先生と二中で出会えてすごくよかった。出会えなかったら、立ち上がる、ということを知らないままだったと思うから」

と。生徒からもらったお年玉です。そう、皆さま、一人ひとりが立ち上がり闘うことで、絶望を希望に変えていきましょう。
http://www.okidentt.com/nezu/housenka34.doc

 <日の丸・君が代>問題は泥臭くてあまり触れたくないなみたいな思いは私のうちにも(いくらか)ある。
 反日の君派は非暴力主義なのにいつのまにか、テロリストみたいなものと社会的に位置づけられ、彼らを援護することは“特殊な人たち”のやることと考えられている。
 さて今日は、日の君の話ではなく、今時の話題上野千鶴子問題に絡めて発言したい。*1
 わたしはあるイラダチを言葉にしたい。

「cyan」さん:
・署名文と上野氏の間に、明確なスタンスの相違が見られること
抗議文:『ジェンダー・フリー」という観念は(略)という意味に理解される。』
上野氏:『「ジェンダー・フリー」の使用について一致がなく(略)用いない者が多い』
これは上野氏の事件を利用した自分に都合のいい方向への誘導ではないかという懸念を覚えます。
http://d.hatena.ne.jp/tummygirl/20060124/1138061568#c コメント(25)

(同上)
まあひらたくいうと胡散臭いってことです。』 (2006/01/26 15:16)

(下記「訂正前」)の文章が入っていたが削除しました。 

「tn」さん:
上野さんが都教委などへ公開質問状を出し、その回答待ち(今月末期限)である現在、上野さん以外の人が先走って抗議活動をするのは、正直言って拙劣だと思うし、感心しません。
(同上コメント欄)

彼らはまともに論点を提出しているのだから、まず論点に答える(応える)べきだと普通は考えられる。まあそれもそうなのだが、わたしは何か徒労感が先立ちそこまで行けない。
 この〈徒労感〉について考えを巡らせていて、上記の「根津公子はパレスチナ人なのか?」というコピーを考えついた。
 上野なら知っているけど根津って何者?フェミニストなの?と読者には困惑が広がるだろう。(だいたい私の文章はいつも説明不足で申し訳ない。)
私は彼女の闘いに詳しいわけではない。が過去2回ほど言及した。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20050528#p2
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20050423#p5
 根津さんの写真は
http://www.din.or.jp/~okidentt/nezusan.htm にある。東京のおそらく50代の女性教員という点は根津も上野も一緒だ*2。根津氏は、君が代不起立で(“別に悪いことはしていないのに”)停職1カ月の処分を受けた。上野氏は「国分寺市での講師任用を拒否された」とはいっても本人の本務や収入に大きな影響があったわけではない。労働者の権利の阻害という点では上野氏のケースは軽微である。だからといって上野氏の問題を取り上げる必要ないなどと言いたいわけではない。
 上野vs東京都問題は、上野の問題なのか?東京都の問題なのか? 後者であると考えるべきだろう。
http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/kyouiku/top.htm
HP版 東京都/国立市の教育
http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/kyouiku/gender.htm
【都教委】ジェンダーフリー全廃、混合名簿禁止!?
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr030911t.htm
都立七生養護学校の不適切な性教育の問題
 といった処分〜事件の膨大さの一例として、今回の上野氏問題があるのだという把握が必要である。
 ジェンダー業界総力を挙げての(?)http://www.cablenet.ne.jp/~mming/against_GFB.html 今回の抗議文は、そういった点に一切触れていない。(すでに押し切られてしまった)日の丸君が代問題とリンクされたくないという判断もあるのだろう。そういった個々人の判断が全体として、日の丸君が代問題とその象徴としての根津公子をサバルタン化し、不可視化し、パレスチナ人化しているのではないか。
 そしてすでに“歪んでしまった空間性”のなかに、上記のcyan氏やtn氏の言説は登場しているのではないか。
 というような気がします。

*1:ちなみにわたしは「資本制と家事労働」1985年以来の上野ファン、といってもこのごろは読んでないが

*2:女性教員にもピンからキリまで、と上野氏は言いそうだ?