松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

愛国心

愛国心というものに対する距離の取り方については、わたしはスワンさんよりも hal44さん に近いようです。*1

個人的には愛情の対象として国家を選ぶというのは、アニメ美少女でオナニーするくらい虚しい行為だと思うのですが、
(hal44)id:noharra:20050321#p1

私は、人間社会における現実というのは、自然科学によって認識される現実よりはるかに流動性が高く、認識行為自体によって造られるものであるということを忘れてはならないと思っています。
http://d.hatena.ne.jp/hal44/20050323

ただ、一方で「日の丸や君が代によって「愛国心」なるものを刷り込まれることにより、そのような「愛国心あふれる」人間に成る可能性が大である」とういったレベルでだけ「愛国心」を語ってしまうことへの疑問もあります。
 例えば幕末の尊皇攘夷運動というものは、わたしたちの感覚からはなんだか偏狭な排外主義イデオロギーに過ぎないみたいにしか見えないところがあるのですが、そう切り捨てしまってはならないでしょう。黒船による侵略に抗した愛国主義云々以上に、広汎なただの庶民が自己の存在を掛けて運動に立ち上がっていったこと、そしてそのことによって歴史は動いて行ったことを考えると。それをイデオロギーの色分けをすることにより分かったような気になっていては駄目なのだと思います。誉めたたえるのでも切り捨てるのでもなくどう評価すれば良いのか、は難しいですが。
とは云っても、幕末明治や「大東亜戦争期」のような危機の時代はともかく、現在「愛国心を語る」事自体には、もう、うさんくささしか感じとれない!のは確かなのですが。

*1:一方でスワンさんの留保の多いみたいなもって行き方にも興味は持つのですが。