松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

運転免許証に記載されている住所が違っている!

こんな弾圧は許されない! 神奈川県警によるAさんへの「免状不実記載」令状逮捕と住居・事務所捜索に抗議する
2006年10月28日

 とても許すことのできない弾圧です。10月24日朝、反戦・平和、憲法改悪反対などの市民運動に積極的に参加してきたAさんが自宅を出たところで神奈川県警によって令状逮捕されました。容疑はなんと「免状不実記載」。いま神奈川県小田原市に住んでいるAさんの運転免許証に記載されている住所が、以前に住んでいた神奈川県鎌倉市の実家のままになっていた、ということです。このために刑法157条「公正証書原本不実記載等」の「公務員に対し虚偽の申し立てをし、免状、鑑札、又は旅券に不実の記載をさせた者は一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する」が適用されたわけです。
 逮捕とほぼ同時刻に自宅だけではなくAさんが所属しているアジア連帯講座の事務所(東京都渋谷区、新時代社)も捜索を受けました。翌10月25日には、Aさんの仲間が活動している大阪の事務所も捜索を受けました。Aさんには、この日、10日間の勾留がつきました。
 運転免許証の住所が、以前住んでいた住所のままになっていることは市民生活の中でよくあることです。こうした件をとらえて、ものものしい態勢で令状逮捕し、10日間の勾留をつけ、さらに長時間に及ぶ捜索で本人名義の貯金通帳まで「証拠物件」として押収するような行為は、すべての社会運動や市民運動への弾圧以外のなにものでもありません。今回の弾圧を主導した神奈川県警公安課は、以前、日本共産党緒方国際部長(現参院議員)宅への違法な盗聴が発覚し、大きな批判を受けました。しかし市民を敵視するその体質はまったく変わっていません。令状発行を認めた裁判所も批判されるべきです。
 この間、労働運動や市民運動を行っている人びとへの「微罪逮捕」が相次いでいます。法令を拡大解釈し、権力に異を唱える言論や行動への選別的弾圧に利用するケースが日常茶飯事です。立川反戦ビラいれやマンションへの政党ビラいれへの逮捕・起訴・長期勾留弾圧はその典型です。憲法改悪や「戦争国家」作りの動きが強まる中で、政府に反対する言論の自由や権利の行使が奪われ、市民運動や労働運動を「テロ」と結びついた「犯罪」と見なす治安監視体制が強化されています。いま政府・与党が、強い反対を押し切って成立させようとしている「共謀罪」法案にそれが示されています。
 今回のAさんの逮捕は、平和を求める非暴力の市民運動、国際連帯運動全体にかけられた弾圧です。私たちは自由な言論と権利の行使をあくまで追求し、Aさんの逮捕に強く抗議するとともに、即時釈放を求めるものです。

呼びかけ:アジア連帯講座
東京都渋谷区初台1−50−4−103

http://black.ap.teacup.com/despera/248.html
ですぺら さん経由
http://www.jca.apc.org/~monsoon/index.htm
アジア連帯講座

公安て本当に必要なんでしょうか?

公安を擁護する名無しさんみたいに「公安が逮捕するのだから相当の理由があるのであろう」と推定するのはある意味当然で、そういう推定が成り立つようでなければ困る。

問題は本当に「相当の理由」があったのかということで、理由の相当性と予測された危機の緊急性や規模との兼ね合いで評価されるべきだと思う。ガセネタ掴まされてるだけとか、マジで言論弾圧したいだけとか(それこそ「公安に逮捕されたのだから悪い団体だ」と印象づけるため、とか)だったら、一個人や団体の権利侵害どころの話じゃすまない大問題だ。

というか、空振りに終わった捜査の本当の目的というのが公開されて批判にさらされたり予算減らされたりするようでないとやりたい放題のモラルハザードになってしまうのだが、制度的にはどうなっているんだろう。
http://d.hatena.ne.jp/rna/20061104  児童小銃

 立川ビラ入れ事件や葛飾共産党ビラ入れ事件と同様、単なる市民運動を、仕事でないことを仕事と称して給料を貰っている警察官が逮捕しただけの事件だと受け取りました。
 (11/4 TBもらったので追加。)

乱発される「免状等不実記載」の恐怖

えーと、先日図書館で雑誌「週間金曜日」11/17を借りたので簡単にメモしておこ
う。
借りてみた理由は表紙に特集「警察の闇」と大きく書かれていたから。
警察の闇特集は第6弾で今回の題は「「現代の特高」公安の無法」である。
目次は、
p16 弾圧続く関西生コン労組 露骨な大阪府警の「組合つぶし」 安田浩一
p18 乱発される「免状等不実記載」の恐怖 思想を狙った逮捕攻撃
p20 つぶされた平和なメーデー
p21 公安に囲まれたキャンパス
p22 「Nシステム」で1日に4回職務質問
と合計7頁。
まず、「乱発される「免状等不実記載」の恐怖」を読む。

神奈川県小田原市のマンションに住むフリーの編集者Bさんが県警公安三課らから
押しかけた二〇人に自宅で逮捕されたのはこの10月24日だった。

昨年7月にやはり免状等不実記載で兵庫県警公安三課に逮捕された国労組合員Cさ

昨年七月にこの免状等不実記載で大阪経済大学の卒業生D君が逮捕された際には、
家宅捜索が実家を含め南都11カ所に及んだ。

04年10月に京都府警に免状等不実記載で逮捕された会社経営者のEさんの場
合、取り調べの際に担当検事から(略)「あなたが国家に敵対しているから問題な
のだ」などと言われたという。

ただまあ微罪逮捕は昔からある。
救援連絡センター」(東京都)の調査によれば、多い年は

1988年が17件
89年が24件
90年が22件

公安の暴走をわたしたちは食い止めなければいけない!
(11/30追記)