松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

2005-01-08から1日間の記事一覧

遺体を運び出そうと

ジョラン地区*1のせまい通りを通れない戦車は、構わず両脇の家々をなぎ倒して進んで行きました。攻撃に一段落した皇軍*2は、市内中にあふれる遺体を金属のフックでまとめて、装甲車でひきずって行きました。遺体は空き地に集められました。まるでゴミのよう…

碁を打つ女・2

シャン・サは1972年北京生まれの中国人女性。1990年、渡仏。画家バルテュスのもとで2年間働く。バルテュス夫人節子が序文を書いている。これはフランス語で書いた3冊目の小説。「高校生が選ぶゴンクール賞」受賞。 この本について、hatenaで言及したのは私…

碁を打つ女

シャン・サの『碁を打つ女』isbn:4152085851(平岡敦訳) はなかなか名作だと思う。 1 霧氷につつまれ、千風広場で碁を打つ人々は、まるで雪だるまのようだった。鼻から口から、白い息を吐き出している。縁なし帽の端から、小さな氷柱が地面にむかって伸び…