松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

一言主

ほの侘びて逐われし神のひとりなる一言主や雪踏みにけん
   馬場あき子


 近所が分厚く処女雪で覆われているとだれでもちょっとそこまで行くために、雪に自らの足あとを深く一歩一歩記さねければならない。自己主張を抑制せよと教えられてきた日本人には眼から鱗の体験。