松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

子どもに年20ミリシーベルトの安全基準を撤回せよ!

文部文科省は19日夜、福島県の学校における安全基準を公表しました。福島の子どもたちに年間20ミリシーベルトの被ばくを強要するものになっています。
(略)
 この問題で、市民団体より原子力安全委員会文部科学省宛で質問書を4月15日付で福島みずほ事務所を通じて提出し、これに基づき4月21日の木曜日に交渉を行います。この場で文科省による安全基準の撤回を要求していきたいと思います。
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/post-5a79.html

このようにして参議院議員会館B107で開かれた交渉は、市民に対する説明責任を果たそうとする意志がないのを証立てるように、無責任なものに終わった。
官僚にとって安全性というものは、自分の都合で如何ようにも歪曲可能なものであるべきだという基礎に基づいた政策! であるようだ。

4月21日 文部科学省原子力安全委員会交渉


交渉に120名参加


文科省・安全委員会は下記の問題に答えることができず


あまりにも無責任な文科省・安全委員会


回答をもって早急に再度交渉を行うことを全員で求め確認

 ・「放射線管理区域とは」にも答えられず
 ・放射線管理区域で18歳未満の労働は禁止されていることも知らなかった
 ・子どもも大人も20ミリシーベルト
 ・年20ミリシーベルトに内部被ばくは含まれていない

  文科省と安全委員会に子どもに20ミリシーベルトを撤回せよ!の声を

  文部科学省学校健康教育科 電話 03−6734−2695
                    FAX 03−6734−3794

  原子力安全委員会事務局  電話 03−3581−9948
                    FAX 03−3581−9837

今日の交渉で回答できなかった事項
下記について回答の上再度交渉を行うことになりました

1.福島県による学校の放射線測定結果から、放射線管理区域に相当する学校は、全体の何%であったか。


2.放射線管理区域について答えられなかったが、放射線管理区域とはどういうところか。


3.労働基準法では、放射線管理区域における18歳未満の労働を禁じていることについて答えられなかった。学校の安全基準を20ミリシーベルトとする検討においてこの点はどのように考慮されたのか。


4.原子力発電所の労働者が、白血病を発症し、労災認定を年平均10ミリシーベルト前後で認められた事例や、集積線量40ミリシーベルトで認められた事例があることについて答えられなかった。学校の安全基準を20ミリシーベルトとする検討においてこの点はどのように考慮されたのか。


5.原子力安全委員会は、学校の安全基準を20ミリシーベルトとする検討に際して、4月19日の14時ごろに助言要請を受け、16時ごろには回答した、原子力安全委員会の公式の会議は開いていないということだった。20ミリシーベルトで差支えがないというのはどのようにして決めたのか、その経過を明らかにすること。5人の委員にはどのような確認を行い、どのような意見が出たのか。他にどのような資料や専門家の意見を参考にしたのか。議事録があればそれを明らかにされたい。


6.文部科学省は、学校の安全基準を20ミリシーベルトとする根拠に、ICRPの「非常事態が終息した後の一般公衆における参考レベル」1〜20ミリシーベルトを暫定的な目安として設定したとしている。現在は事故が終息していないと答えたが、なぜ事故終息後のレベルを採用したのか。


7.参考レベルのうち、最も高い値を採用したのはなぜか。


8.3月21日のICRPの声明も判断の根拠としたということだが、この声明はいつ、政府としての見解として取り入れたのか。


9.福島県による学校における放射線測定結果は、原発震災復興・福島会議による測定結果と比べると小さいところがある。今後、県内の公的測定には、原発震災復興・福島会議などを同行させるなど、相談して進めるべきと要請した。回答はいかがか。


10.大人と子どもでは放射線による影響に違いがあると認める一方で、20ミリシーベルトは子どもも大人も同じ基準だとの回答であったが、子どもに対して特に配慮しなかったのはなぜか。その根拠を明らかにされたい。


11.20ミリシーベルトは空間線量の評価からのみ導き出したものと述べたが、吸入、土ぼこり、食物による内部被ばくを考慮しないのはなぜか。原子力安全委員会の事務局は、シミュレーションにより、内部被ばくは考慮する必要がないと判断したと述べた。シミュレーションはいつ誰がどのように行い、どのような結果であったのか、明らかにされたい。


12.ホットスポットがあることは認めた。積算線量は3月23日以降のものしか評価されていない。モニタリングは3月15日から実施しているとのことだが、少なくとも、15日以降の積算線量を公表すべきだと考えるがいかがか。


13.原子力安全委員会は、「生徒の行動を代表するような教職員」にポケット線量計を着用させ、被ばくを確認するとしているが、これで子どもたちの被ばくを確認できるのか。このような措置を示した根拠は何か。


14.校庭の土壌を削り取るなどの除染措置をとるべきではないか。


15.原子力安全委員会文部科学省原子力災害対策本部の三者福島県に出向き、県民に説明するよう要請したが、いかがか。


16.上記の質問に午後6時及び明日午前10時までに回答の上で、責任ある人を出して、早急に説明の場を設けること。

(11/04/21UP)
http://www.jca.apc.org/mihama/
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/post-4f70.html (同文 こちらが元だな)


21日の交渉内容は以下の通り。あまりの無内容さに再交渉を認めざるをえなかったのだろう。

<政府側の対応>
文科省…「放射線管理区域」の基準を上回る学校が多数ある事実は認識せず。そもそも「放射線管理区域」の基準を知らない。この区域では18歳未満の労働が禁止されていることも知らない。
原子力安全委員会…19日14時頃に事故対策本部からの「20ミリシーベルトでいいか?」という連絡をうけ、16時頃に「よい」と返答した。この間、正式な会議は開催していない。委員会内でどのような協議をしたかは不明。議事録があるかも不明。
文科省…20ミリシーベルトの根拠は、ICRPの「事故収束後の基準」(1〜20ミリ)、もっとも緩い値を使っている。一方で事故は終息していないとの認識。両者の矛盾を指摘すると意味不明の回答。
文科省…20ミリシーベルト内部被曝は考慮せず。あるシミュレーションをもとに、内部被曝を考慮しなくてもよいという結論に至る。そのシミュレーションの詳細については承知していない。
・子どもにも大人と同じ基準を用いているかといわれれば、そのとおり。一方で、子どもは大人よりも影響が大きく配慮が必要とも。
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2011/04/post-4f70.html

文科省は、原発推進勢力の一部ではなく無関係であるはずだ。子供の安全という立場に立って、安全委員会などと激しく対立してもベターな政策を生み出していくのが当然だろう。なんのために文科省は存在するのか!?