松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

朝鮮半島の平和の安定の維持

こそがわたしたちの願いだと、中国の当局者が強調しているようです。


しかしそうでしょうか?

 闇市場で行き倒れになった人の死体が放置されるまま腐っていったとか、裸足の子どもが酷い凍傷で歩けなくなり、四つん這いに這いになって「オンマー、オンマー(母ちゃん)」と泣きながら彷徨っていたとか、息を呑むような凄まじい証言がポンポン飛び出した。六人はそれぞれ、北朝鮮の別の地域から脱出してきていたが、語られる飢餓の様相には大差はなく、北朝鮮の広範な地域が大飢饉の波に呑まれていることが想像された。
p206「北朝鮮からの脱出者たち」石丸次郎 isbn:406281000X C0195

豆満河、中朝国境を少し越えた中国の小さな村には、1998年飢餓の国家から脱出する難民が押し寄せ村人は困惑していた。そのときの脱北者の発言だ。
あれから10年余。今年も飢餓が報じられている。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20100416#p1
 
1989年ベルリンの壁が崩壊し、北朝鮮よりどこからみてもずっとマシな国であった東ドイツは崩壊した。それから、20年余、北朝鮮は崩壊しそうもない。
拉致問題で国をあげた大騒ぎをして何も得られなかった日本。わたしたちは国家に期待することを止めなければならない。
私たちが国境を開き北朝鮮難民を受け入れる用意ができたなら、難民は流出し、北朝鮮国家は崩壊する。
国家間の緊張を高めることによって北朝鮮国家は生き延びてきた。攻撃に対し反射的に防衛努力を口にするのは、産軍複合体のまわしものでなければ愚かなだけだ。
私たちが餓死した人民たちに、本当に近づこうとすれば、国境は崩壊する。