松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

闘い続けるサバルタン

 闘い続けるサバルタンとは語義矛盾だろうか?
いくら叫んでも聞き届けられないものがサバルタンであるのなら、サバルタンは闘い続けるしかない。

http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/02/for_the_record_c3ca.html
机の上の空 大沼安史の個人新聞: 〔For the Record〕 「日本人を許す、しかし決して忘れない」「安部首相は公式謝罪を」 オランダ人「従軍慰安婦」、米下院公聴会で証言 

 戦時中、旧オランダ領・インドネシアのジャワ島で、日本軍によって「従軍慰安婦」とされたオランダ人女性(現在オーストラリア在住)、ジャン・ラフ・オヘルンさん(84歳)が2月15日、米国・ワシントンの米連邦議会下院外交委員会アジア・太平洋・地球環境小委員会の公聴会で、他の韓国人「慰安婦」2人とともに証言した。
 
 下院には日系議員のマイケル・ホンダ氏(カリフォルニア選出、民主)らが、「従軍慰安婦」問題について日本政府に「ごまかしのない公式の謝罪」と「歴史的な責任」の引き受けを求める決議案を出している。

 この決議案について日本の麻生外相は19日の衆院予算委員会の質疑で、「決議案は、客観的な事実に全く基づいていない」と答弁、「事実無根」を公式に表明している。

 以下、オヘルンさんの「証言」を、拙訳で紹介する。

 麻生外相は、彼女の証言を知ったうえで国会答弁をしたのだろうか?
(以下略)

わたしたちは食堂(ダイニング・ルーム)に行くよう命じられました。家中、日本軍の軍人だらけなのを見て、わたしたちは恐怖で身を寄せ合いました。わたしは祈祷書を取り出し、わたしたちを助けてくださいと、少女たちと一緒に祈りを捧げました。彼らはわたしたちを引きずり出し始めました。ひとり、またひとりと。ベッドルームから悲鳴が聞こえて来ました。わたしは食卓の下に隠れましたが、すぐ見つかってしまいました。わたしはその男と闘いました。力を振り絞ってキックしました。その日本軍将校は、わたしがすすんで自分を差し出さないことに、ものすごく腹を立てました。鞘から刀を抜いて、わたしに突きつけました。わたしを刀で脅し、わたしが言うことを聞かないなら殺すと言いました。わたしは部屋の隅で、もう逃げることのできない狩りで追い詰められた動物のように、からだを縮こませました。わたしは死ぬことを恐れていないことを彼に理解させました。わたしはすこしお祈りさせてくれるよう哀願しました。
(略)
 それから彼はわたしをベッドに放り投げ、わたしの服を引き裂きました。かれは、ネズミをつかまえた猫のように、はだかのわたしの体の上に刀を走らせました。わたしはなお戦おうとしました。しかし、彼はわたしの上に乗って来て、わたしを重いからだで釘付けにしました。かれはわたしを最も残酷なしかたでレイプしました。わたしの顔を涙が伝いました。わたしは彼はいつまでもわたしを犯し続けると思いました。
(略)
 その家は完璧に警備され、逃げることは出来ませんでした。わたしはときどき身を隠しましたが、いつも見つかり、自分の部屋に引き立てられました。わたしは(身を守るため)何でもしました。髪を全部切り落としました。丸坊主になりました。醜くなれば、だれもわたしを欲しがらなくなると思ったからです。しかし、逆にそれがわたしを関心の的にしてしまいました。彼らはみな、髪を切ったわたしを求めるようになったのです。逆効果でした。

 日本人は誰ひとりとして、わたしの抵抗を受けずにわたしをレイプできませんでした。わたしは全員と闘いました。そのため、わたしは繰り返し殴打されました。いわゆる「慰安所(Comfort Station)」でわたしは日夜、組織的な殴打とレイプを受けていたのです。わたしたちの性病を検査に来る日本人の軍医たちも、毎回かならずわたしをレイプしました。それどころかわたしたちをさらに辱めるため、検査の最中、ドアを開け放しにして、検査されているわたしたちの姿を日本人たちに見せたのです。
(略)
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/02/for_the_record_c3ca.html
机の上の空 大沼安史の個人新聞: 〔For the Record〕 「日本人を許す、しかし決して忘れない」「安部首相は公式謝罪を」 オランダ人「従軍慰安婦」、米下院公聴会で証言 

 ジャン・ラフ・オヘルンさん。彼女はなぜ抵抗し続けることができたのか?
それは彼女がオランダ人女性であり、自己の自由を奪われることに対して激しく抵抗することが正義だという思想を持っておりそれを言葉にすることさえできたからだ。

 わたしたちは声をあげて抗議しました。わたしたちは、自分たちの意志に反して無理矢理、ここに連れて来られたと言いました。彼らには、それをわたしたちにする権利はないことを言いました。それはジュネーブ条約に違反することであるとも言いました。しかし、彼らはわたしたちをあざ笑い、わたしたちを自分の思い通りにできるんだと言いました。わたしたちは日本人の名前をつけられ、ベッドルームのドアのところへ張り出されました。

ジュネーブ条約違反」という言葉を知っているサバルタンというのはまさに語義矛盾である。
遅かれ早かれ、常識は勝利し、 麻生外相は自らの愚かさに罰を受けるだろう。愚かでない日本国民は麻生に敵対すべきである。
(2/22記)