松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

一人の人が殺される。それはニュースにならない。

19日(火)、トゥルカレムで隔離壁の近くで遊んでいた少女がイスラエル軍によって撃ち殺された。少女は14歳のドゥア・アル・カデルさんで、友だちと農地で遊んでいたところ、隔離壁の見張り塔から狙撃兵に撃たれた(一説では壁を乗り越えて、向こう側にある自分の農地に行こうとしたという話もある)。

一緒に遊んでいた友人も撃たれて負傷した。救出に駆けつけたパレスチナ医療チームはイスラエル軍に止められ、銃撃すると脅されて追い返された。その後、ドゥアさんと友人はイスラエル側の救急車でイスラエルの病院に運ばれたが、ドゥアさんは死亡した。

このドゥアさんの父親は、イスラエルで「不法に」労働して捕まり、拘留中だった。娘の葬儀に出席したいと弁護士を通じて願い出ていた。

しかし、イスラエルの裁判所がエスコート付きでの出席許可を出したときには葬儀は始まっていた。裁判所は葬儀が西岸のトゥルカレムで行われることを認識していなかった模様。なお、父親は娘の喪中のあいだに仮釈放してほしいというリクエストを出している。
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200612220401.htm
P-navi info : 殺された娘の葬儀に出席できない父親 ほか

一人の人が殺される。それはニュースにならない。イスラエルによって殺された場合には。
一方パレスチナ人による場合は被害者がパレスチナ人の場合もニュースになる。なぜならそれは価値があるから。「パレスチナ人を殺しているのはイスラエルではなくむしろパレスチナ人であるというデマゴギー」を広める効果が。

ファタハハマス間の内部衝突でじわじわと犠牲者が増えている。停戦が発表されてもまだ衝突は終わっていない。これは報道されているが、報道されないのはその間にもイスラエル軍によってパレスチナ人が殺されているという事実だ。
(同上)

上記ニュースでは、「11日にガザ市(Gaza City)で幼い兄弟3人が犠牲となった車両銃撃事件」の加害者が誰か書いていない。
ハマスファタハとの内紛が、あたかもその原因であるかのような印象を与える記事の作り方である。