松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

イランにおける人権侵害について

アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』の紹介に関連して・・・

 イランでは、1979年のイスラム革命以来原理主義政権が27年間継続してきた。イスラム法が国の法律となり、女性の権利は著しく制限されてきた。勇気を持って声を上げた女性は13歳であろうが、70歳であろうが捕らえられ、処刑された。
http://www.janjan.jp/world/0603/0603241369/1.php
世界・イラン:弾圧に負けない、女性活動家の誓い

 パリに本部を置く「イラン全国レジスタンス委員会」(National Council of Resistance of Iran: NCRI)によれば、1981年以来12万人の政治犯が処刑された。イランの人権活動団体によると、今年になって逮捕された女性は1,372人。そのうち4名が処刑されている。(同上)

 3月8日の国際女性デーに合わせて数百人の女性がイランの首都テヘランでデモを行った。「イラン女性権利協会」は、性差別をなくし、女性に社会的・法的権利を認めるよう求める決議文を準備して配布した。
 活動に参加した女性のうち、何人が治安警察に逮捕されたのか定かでない。しかし、逮捕された者は処刑されることになるだろう。(同上)

イランにおける人権侵害というテーマについて日本で語られることは少ない。
一般に日本において他国の人権侵害に関心を持つのはいわゆる左翼であること。反米国家である北朝鮮、中国などの人権侵害問題については反共主義者による強調されたキャンペーンが存在すること。そうした左右の言説配置において、反米国家であるが共産主義を奉じないイラン国内における人権問題は日本で大きな問題にならなかった。
映画監督サミラ・マフマルバフの活躍が示すようにイラン女性の活動は全面的には抑圧されているわけではない。しかし全般的な顕著な抑圧が存在することは確かなのだ。
アフガニスタンにおける女性抑圧という「物語」が圧倒的に宣伝され、アメリカの戦争肯定に使われたのを私たちは知っている。そのような構図を突破するためには、イラン人との関係を自己に固有のものとして引き受ける不可避性が必要であるのだろう。たった一冊のイラン人の書いた本を読んだからといってわたしにイランを語れるはずもない。リンクの紹介。わたしに紹介する権利はないが。
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=207
Amnesty International-イラン:平和的批判者に弾圧続く - アジア ...
http://www.kt.rim.or.jp/~pinktri/shayda/eghtedari.html
証人エグテダーリ氏について
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2004/08/post_13.html
壊れる前に…: イランとアフガン難民