松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

告文

 告文(こうもん=天子が臣下に告げる文。こうぶん)

皇朕(わ)レ謹(つつし)ミ畏(かしこ)ミ
皇祖(こうそ)
皇宗(こうそう)ノ神霊(しんれい)ニ誥(つ)ケ白(まう)サク皇朕(わ)レ天壌無窮(てんじょうむきゅう)ノ宏謨(こうぼ)ニ循(したが)ヒ惟神(ただかみ)ノ宝祚(ほうそ)ヲ継承(けいしょう)シ旧図(きょうと)ヲ保持(ほじ)シテ敢(あへ)テ失墜(しっつい)スルコト無(な)シ顧(かへり)ミルニ世局(せいきょく)ノ進運(しんうん)ニ膺(あた)リ人文(じんもん)ノ発達ニ随(したが)ヒ宜(よろし)ク
 皇祖
皇宗ノ遺訓(いくん)ヲ明徴(めいちょう)ニシ典憲(てんけん)ヲ成立シ条章(じょうしょう)ヲ昭示(しょうじ)シ内(うち)ハ以(もち)テ子孫(しそん)ノ率由(そつゆう)スル所(ところ)ト為(な)シ外(そと)ハ以(もち)テ臣民(しんみん)翼賛(よくさん)ノ道(みち)ヲ広(ひろ)メ永遠(えいえん)ニ遵行(じゅうんこう)セシメ益々(ますます)国家ノ丕基(ひき=国家統治の基礎)ヲ鞏固(きょうこ)ニシ八洲民生(やしま〈日本の美称〉みんせい=日本臣民の生活)ノ慶福(けいふく)ヲ増進(ぞうしん)スヘシ茲(ここ)ニ皇室典範(こうしつてんぱん)及憲法ヲ制定ス惟(おも)フニ此(こ)レ皆(みな)
 皇祖
皇宗ノ後裔(こうえい)ニ貽(のこ)シタマヘル統治(とうち)ノ洪範(こうはん)ヲ紹述(しょうじゅつ)スルニ外(ほか)ナラス而(しか)シテ朕(ちん)カ躬(み)ニ逮(および)テ時(とき)ト倶(とも)ニ挙行(きょこう)スルコトヲ得(う)ルハ洵(まことに)ニ
皇祖
皇宗及我カ
皇考ノ威霊(いれい)ニ倚藉(いしゃ)スルニ由(よ)ラサルハ無(な)シ皇朕レ仰(あおぎて)テ
皇祖
皇宗及
皇考(こうこう)ノ神祐(しんゆう)ヲ祷(いの)リ併(あわ)セテ朕カ現在及将来ニ臣民(しんみん)ニ率先(そっせん)シ此ノ憲章(けんしょう)ヲ履行(りこう)シテ愆(あやま)ラサラムコトヲ誓(ちか)フ庶幾(ねがわ)クハ
 神霊(しんれい)此(こ)レヲ鑒(かんがみ)ミタマヘ
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/dainihonnkokukennpou.htm
1889(明治22)年 2月11日公布
皇室典範憲法制定の告文