松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

ひとは人類を愛せない 

コーリャ「神を信じていなくても人類を愛することはできるのです。ね?ヴォルテール(注:18世紀のフランスの啓蒙思想家)は神を信じていなかったが、人類を愛していた!」
アリョーシャ「いや、ヴォルテールは神を信じていました。が、それはほんのちょっぴりでした。だから彼は人類を愛していたけれど、それもほんのちょっぴりだった、と思うのです。」
カラマーゾフの兄弟 http://www.coara.or.jp/~dost/2-3-1.htm#B

自己が自己である限りでできることなど、ほんのちょっぴりだ、とドストは言っているようだ。それは確かにそのとおりだろう。しかし自己は“自己である自己”より大きいのだから、愛はほんのちょっぴりよりちょっぴり大きい物で有りうる。