松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

バクダッドの良寛

4/17の毎日新聞朝刊によれば、パウエル国務長官は人質になっていた3人について「日本は誇りに思うべきだ」と語ったそうだ。「危険地帯に入るリスクを理解しなければならないが、そのリスクを誰も引き受けなくなれば、世界は前に進まなくなってしまう。彼らが危険を冒して人質になっても、責めて良いわけではない。」と。 Ventureを誉めたたえるアメリカ人らしい発言だ。最悪なのは冬柴と福田などなどだ。
人質も自衛隊も出ていった点では同じで、反対派はいずれも「帰ってこい」「出ていくな」と叫んでいる点で一致している。これは日本以外では異常に見えるのかもしれない。
さて、高遠菜穂子さんなどの行動は、(憲法前文にある)平和実現のための「崇高な理想と目的」をもってなしたものとも理解しうる。しかし、 現地の人々からも見捨てられたストリートチルドレンと遊ぶのを純粋に楽しんでいた、浮き世離れした人というイメージで高遠さんを捉えたい、野原は。バクダッドの良寛さん、ですね。自分の楽しみのための行為だ、ということと世界平和のための崇高な行為だ、と言うことは背反するわけではない。むしろ前者でなければ後者は達成できないのではないか。自衛隊の復興支援は不幸支援になっている(だじゃれはタイプミスのため)。復興支援のためにもヴォランティアの方が小さな予算でよほど大きな効果を上げうると指摘されているが、このことと関係があるのかもしれない。役人のやることは美辞麗句で事実を誤魔化す方向にどうしても流れていくから。
(追記 4/20)
パウエル発言については、http://d.hatena.ne.jp/pavlusha/20040417#p4 には、“「国に帰ってきたらベイビーキラーだのなんだのと陰口を叩かれ、駐車場係の職すら貰えなかった」っていう、Viet-vet(ベトナム帰還兵)のルサンチマン”が言及されていて興味深かった。
素直に考えれば、パウエルは国連主導でのイラク国内の安定を望んでいる。国連自体というよりも、治安悪化でやむなくイラクを去った国連NGOやボランティアグループが大挙して戻ってきてくれないとどうしようもない、と思っているのだろう。日本人もおおむねそう思っているのではないのかねー?