松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

すでに日本は戦時下にあるのだ。

 Fumiiwaさんへ 問題を「誘拐者の要求に応えるのかどうか?」だととらえるとどうしてもテロリストをつけあがらせるな、というふうに流れてしまうかもしれません。そうではなく、「現在の自衛隊イラクでの存在に正義があるかどうか?」が問題で、それは「米軍のあり方が正義を最終的にもたらすことができるものなのかどうか?」に依存します。少なくとも数日前のアブサドル一派との戦闘関係の開始以後、後者の答えは残念ながら限りなくゼロに近い。だから国益から判断すると「撤退」が良い。ということになります。わたしの根拠は意外と微温的なもので、左翼では全くない JMMの冷泉彰彦氏の意見とほぼ同じです。彼の意見は「第四の選択肢は撤兵です。今回の派兵はあくまで「戦後の破壊されたインフラを整備する人道支援」という目的のものです。その「戦後」が改めて「内戦」に事態が変わるのなら、そして今日付でイラク国内からの日本人民間人の退避勧告が出たように、人道支援などできる条件が失われたのなら、自衛隊は駐留を続ける理由すら失ったと言えるのです。」というものです。イラク人との血みどろの戦闘を戦い抜く決意も無しにイラクにいても無意味に人が死んでいくだけです。とにかく自己なりの正義の基準において、判断すべきだろう、どちらにしても人は死ぬのだから。そして明日私が死なない保証もない。

 「すでに日本は戦時下にあるのだ。」とマエストロ鏡玉という人が書いていましたが、いまならまだ1割、2割の隙間はあると信じたいものです。「戦時下としての判断」であれば、日本人でも劣化ウラン弾問題を叫びたがる活動家は利敵分子であり、助けてわざわざ英雄として迎えるなどとんでもない、ということになりますが。
 民俗クッ「済州島四・三事件」の紹介ありがとう。面白いかも知れませんね。できれば行ってみたいです。済州島旅行いいですね。わたしはたかだか一冊の本のわずかな頁を読んだだけなのに、金時鐘が語るその当時の海のなかの屍体の群がわりとリアルに感じられています。・・・