松下昇への接近

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イスラエル軍がガザ空爆、140人死亡

 【カイロ=福島利之】イスラエル軍は27日、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに激しい空爆を加え、パレスチナの医療関係者がカタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」に語ったところによると、少なくとも140人が死亡、200人以上が負傷した。

 イスラエル軍空爆は19日のハマスイスラエルに対する停戦終了宣言後、最大で、警察などの建物に少なくとも30発のミサイルが撃ち込まれた。

 ロイター通信によると、空爆後、ガザの武装勢力イスラエル南部にロケット弾を撃ち込み、イスラエル人1人が死亡した。ハマスなど各勢力は「報復」を宣言する声明を出しており、交戦拡大は避けられない情勢だ。

 イスラエル国防省高官はロイター通信に対し、空爆を認めた上で、「必要があれば作戦を拡大する」と語った。イスラエル政府は現在のところ、公式な声明を出していないが、空爆はガザのハマスを始めとする武装勢力が発射したロケット弾に対する報復とみられる。イスラエルのリブニ外相は25日、エジプトのムバラク大統領との会談後、「(ハマスによるガザ支配は)もう十分だ」と語っていた。

 テレビ映像によると、ガザのあちこちからは黒い煙が立ち上っているほか、警察署前などには多数の遺体が転がり、現場は救助にあたる医療関係者らでパニックとなった。

 停戦終了以来、ハマスイスラエル南部に向け、ロケット弾を発射する一方、イスラエル軍空爆を加えるなど衝突はエスカレート。これまでに少なくとも6人のパレスチナ人の民兵らが死亡していた。
(2008年12月27日21時05分 読売新聞)


 今年のクリスマスにはベツレヘムに観光客がたくさん戻ってきたと、日本のニュースでも嬉しそうに報道しておりました。誰に金をもらってそんな報道をするのやら。今年のクリスマスがこの間でもっとも、むごたらしいクリスマスである!ということは、ガザの情況に思いをいたせば、誰にでも(善きサマリア人でなくとも)感じられることなのに。
 

食糧も燃料もない

特に2007年6月にハマースがガザ地区の実権を握って以来、境界封鎖が強化され、人の往来はほとんど不可能となり、小麦粉などの基本的な食料や医薬品、燃料を除いては実質的に物の搬入が止められ、それらの物資の輸送も厳しく制限されることになりました。
(略)
イスラエル政府とハマースは2008年6月に停戦合意を結びましたが、経済封鎖はほとんど緩和されていませんでした。同年11月4日、イスラエル軍は越境攻撃用のトンネルを発見したとしてガザ地区中部に侵攻、また空爆を行い、ハマースの戦闘員を殺害しました。それに対する報復として、ハマースはイスラエル南部にロケット攻撃を再開しました。イスラエル政府はさらにガザのすべての検問所を封鎖し、食料・燃料の搬入も禁止しました。
国連の食料輸送も禁止され、11月13日には,備蓄食料が底をついて国連の食糧配給も停止されました。さらに、ガザ地区の電力需要の4分の1をまかなう火力発電所の燃料も搬入されず、停電が続いています。また、イスラエル当局はガザ地区へのジャーナリストの立ち入りさえも禁止しています。

ガザの人々にとって、封鎖は命を奪われるのに等しいことです。実際,医薬品の不足や重態患者の移送ができずに多くの病人が死亡し、子どもたちには栄養失調が広がっています。
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2093

イスラエルに占領されているガザで

ガザのアブデルワーヘド教授からのメールを岡真理さんが翻訳したものが、下記サイトに転送(掲載)されている。

イスラエルがハマースの攻撃に対する報復としてハマースの拠点を攻撃しているという日本の報道は偽りです。
これは、非戦闘員、民間人に対する大量虐殺です。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/40dce0567d85c3c649821753b4676c57

量にこだわるなら、大量虐殺とは必ずしも言えないかもしれない。
しかし、ガザは数十年間閉じ込められ、じりじりと蒸し焼きにされつづけてきた。その仕上げ(いつまで続く)として今回の空爆がある。

25の建物がイスラエルに空から攻撃された。建物はすべて地上レベルに崩れ去った。死者はすでに250名に達する。負傷者は何百人にものぼるが貧弱な設備しかないガザの病院では、彼らは行き場もない。(同上)

今晩、爆破のせいで窓ガラスが砕け散った家庭にとっては冷たい夜だ。ガザの封鎖のため、窓ガラスが割れても、新たなガラスは手に入らない。私が居住するビルでは、7つのアパートが、凍てつく夜をいく晩もそうした状態で過ごしている。彼らは割れた窓をなんとか毛布で覆っている。何百軒もの家々が同じ境遇に置かれているのだ!私に言えることはそれくらいだ。(同上)


 わたしたちがひとつ確認しなければならないことは日本のマスコミの偏向である。例えば今日の毎日新聞は、

また泥沼 報復連鎖

と大きな見出しを付けている。そして記事は

「我慢は限界に達している。もうたくさんだ」

というイスラエルのリブニ外相の怒りの発言の紹介から始まり、数十行イスラエル国家側からみた情勢だけを記事にしている。そして、

ハマス報道官は「敵(イスラエル)に決して忘れられない教訓(報復)を示してやる」と宣言。

イスラエルは【我慢】であり、パレスチナハマス)は【攻撃的】である。
情報操作も極まれりであるが、こんな情報操作に加担して毎日新聞や日本国家にどのようなメリットがあるのか全く不明である。