松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

プレカリアートの企みのために

 2006年4月30日(日)、「自由と生存のメーデー06 ─プレカリアートの企みのために」の集会・デモが開催され、100名近くの人々が「プレカリアート(不安定雇用層)」をとりまく労働環境の問題についての企画に参加しました。しかしデモの当初から警察が不当に介入を行ない、DJをサウンドカーからむりやり引きずりおろして「道交法違反」を理由に逮捕。このときDJを守ろうとした一名を「公務執行妨害」で逮捕。警察はさらにサウンドシステムを積んだトラックを盗奪し、私物を積んだまま勝手に運転して持ち去りました(5月1日奪還)。また、デモコース終盤・渋谷ハチ公前を過ぎたガード下あたりで「MAYDAY」の巨大バルーンを公安警察が強奪しようとして現場が混乱、この過程で一名を「公務執行妨害」で逮捕。まったく不当な暴挙です。(詳細1・2)
http://mayday2006.jugem.jp/
メーデー救援会

「道交法違反」で不当逮捕されたDJは、勾留請求されずに5月2日に釈放されました。(略)
公務執行妨害」で逮捕された二名は勾留が決定され、依然として身柄を警察署内留置署(代用監獄)に拘束されています。

我々は、今やスペクタクルの要塞と化しつつある六本木から青山、原宿にかけて、まさしく象徴闘争を行う必要がある。同潤会アパートの撤廃によって完遂された表参道のクレンジングと、それにともなうスペクタクルの再編に対し、象徴闘争を仕掛けていく必要があるのだ。政治ビラをビルの壁面やショーウインドウに貼り付けること。政治的スローガンを書き付けること。汚い格好で表参道ヒルズをうろつくこと。表参道ヒルズの虚偽を告発し、リアルなものを提示すること。――かつてのハキム・ベイであるのなら「詩的テロリズム」と呼んだであろうものが、ここでの闘争の手段となるだろう。全国のプレカリアート、スペクタクルの要塞を彩れ!!
http://d.hatena.ne.jp/using_pleasure/20060502/1146583947
記識の外 - 4/30 自由と生存のメーデーで弾圧

 逮捕され勾留中の方を、月並みだが「勾留に負けずに元気でね!」と励ましたい!
 まあ考えようによっては、「プレカリアート(不安定雇用層)」という新しい言葉が今後大衆に支持され運動を作っていく力を潜在的に持っているのではないか?!という危険性を権力が敏感に感じ取ったということか。それでこの弾圧を契機にこの言葉が広まると。
参考:http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/7bb87c472ca0031a232b73e5afc6c130
薔薇、または陽だまりの猫:30日の「自由と生存のメーデー06」弾圧と共謀罪/小倉利丸

警察は誰のために存在するのか?

警察の指揮車の放送で、「歩行中のみなさんは、デモに気をとられることなく…」というのがあった。これは思わず耳を疑うフレーズだった。
デモというのは、歩行中のみなさんの注意を引き、足を止めさせ、自分達の訴えたいことをアピールするために、いろんな工夫を凝らしてやるもの。
「気を取られずに」というのは、つまり「デモ隊の主張に耳を貸すな」と言っているのと同じ。こんな露骨な「表現の自由」に対する攻撃があるか? それも、公務員が「あいつらの言っていることに耳を貸すな」というのだから恐れ入る。憲法遵守義務違反で、即刻処分してもらわなければいけない。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/b7d71335989a887902b10553454c2299
薔薇、または陽だまりの猫:サウンドデモの不当弾圧を見る目、聞く耳/YASUDA Yukihiro

経由 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060503

 日本は民主主義国家でありその基礎となる民衆の意思表示の一つの方法が、街頭デモである。デモを、自らに敵対する物と考えて疑わない公務員は、自己矛盾的存在に過ぎない*1)。このような警察のあり方を(忙しいからといって)見過ごすことは、全体主義国家の完成である。

ところで、警官隊がデモ隊にワラワラと襲いかかるのを見ていたとき、隣でその様子を見ていた若い女の子たちが、「えーっ、何これ! キモいよ、キモーい!」と叫びあっていた。
「キモい」という単語、本来は「気持ち悪い」という言葉。「キモい」という表現はいろいろ解釈できるのだけど、皮膚感覚的にネガティブな感情を表現するときにつかわれる。「見てはいけないもの」、「恐ろしいもの」、「あってはならないもの」、「汚いもの」…を見てしまったときに発せられる単語である。

何も抵抗していないデモ隊に襲いかかる一群の警官。威圧的な放送と、その放送の指揮で一糸乱れずにぐにゃぐにゃと形を変えながら動く一群の制服警官の群。まるでアメーバが小さな単細胞生物を取り囲んで捕食してしまうような。見るからに「キモい」光景だったと思う。
(同上)

*1:新左翼華やかなりし頃ならそう考えてしまうのも無理はなかったかもしれないが。