松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

千年以上続いてきた天皇というものの核心を

 小林氏は「国民主権」を言う者は左翼だ、としてこれを批判している。

 しかしそれなら、なぜ、近世の庶民は天皇を知っていたなどということを、力説しなければならないのだろうか。それは「国民主権」への譲歩ではないのか?
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20091009

確かにTVの時代劇の登場人物が皆現代人のような心の動きをするのと同じく、小林氏は現在の常識的「国民の天皇」感をもって、それが千年以上続いてきたと信じたいのであろう。
国民なんてものは明治維新以降に作られたものだから、「国民に支持される天皇」というものもそれ以前には逆のぼり得ないのは当然。*1


千年以上続いてきた天皇の核心を守りつづけたいのなら、天皇憲法からの自立、国民の政治からの離脱が必要であることもまた自明である。

*1:先駆的形態として「夜明け前」に描かれた草莽の平田派国学者たちがいるが少数派にすぎない。