北朝鮮人民は存在する
http://d.hatena.ne.jp/lmnopqrstu/20090427/1240831077
lmnopqrstuさんの４／２７の記事について下記のとおりブクマした。
noharra id:lmnopqrstuさんは「北朝鮮を嘲笑し恐怖すること」批判する。北朝鮮人民と北朝鮮国家を分別し、前者の立場に立ち、後者の有罪を宣言することがなぜできないのか。天皇や支配勢力と自己を切り離せなかった奴らと同じ。 2009/05/02
それに対して５／０７付けで「noharra氏におたずねします」というタイトルの長い質問をいただいたが昨日まで見逃していた。どうも失礼しました。
１ 「北朝鮮国家」の「有罪」とは具体的に「北朝鮮国家」のどのような「有罪」を指していますでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/lmnopqrstu/20090507/1241708417
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20050125#p3 に書いたのですが、抜き書きすると、
２）１０万人以上いるのではと言われている中国に脱北した者たちは、中国当局によって難民と認められず、日々送還におびえながら悪い条件で暮らしている。
３）日本から北朝鮮へ「帰国」した９万３千人の在日朝鮮人（一部日本国籍保持者も含む）とその家族は、日本との自由な往来を認められないだけでなく、北朝鮮国内でも差別を受けていると言われている。
４）そしてなにより、人類史における最悪の人間虐待と糾弾されるべき政治犯収容所などの収容所の存在。参考：http://homepage1.nifty.com/northkorea/nkcamp.htm
これらの問題について、北人民共和国政府は
＜真相を徹底的に調査＞をすべきであるし、
＜すべての被害者に対して正式な謝罪を＞なすべきである。
追加すると、http://d.hatena.ne.jp/noharra/20090513#p1で引用した餓死した３００万人に対する責任*1。
２。ブクマコメは4月27日の記事に対するものです。lmnopqrstuさんの他の文章を読んだことはありますが、申し訳ないですが丁寧にたくさん読んでいるわけではありません。
次に３について。 「北朝鮮人民と北朝鮮国家を分別し、前者の立場に立ち、後者の有罪を宣言することがなぜできないのか」という質問の第一の意図は、「国家と人民を分別せずに考えるのが正しい考え方だ」とlmnopqrstuさんは暗に言っているかのように受け取れたのでそれに対する批判です。
北朝鮮観において左派から極右の田母神まで足並みをそろえる社会になるわけないだろう。（０４２７）
この文章はどういう意味でしょうか？
101 国家と人民を分別せずに侮蔑（差別）するものがレイシストである。
102 国家と人民を分別せずに、考えるのが正しい考え方だ。
「左派」という言葉で例えば誰が念頭に置かれているのか分かりませんが、左派というなら餓死問題などにも言及する者も含まれているでしょうがそれでも、北朝鮮国家を侮蔑（差別）する限りにおいて、レイシストと同じカテゴリーに入るという判断ですね。
lmnopqrstuさんの０５０７の文章には上のような論理が流れているように読み取れます。
「１２ 天皇及び天皇制日本が朝鮮人になしたゆるしがたい罪悪と、「北朝鮮国家」の「北朝鮮人民」に対する「罪」は「同じ」だと、朝鮮人に対して言い放ちたくてうずうずしている」わたしの言説総体に対してなおそのような印象を受けておられるだろうと思います。・・・深くて深い淵（不信）ですね。わたしとしては、せっかくの機会ですので、「対話」を開始したいと思いますので、よろしくお願いします。
私としては直近の５／１３の記事に加えて、
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20060314#p5
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20080427 にも目を通していただきたいです。
さて、
http://kscykscy.exblog.jp/10742774/ は「北朝鮮籍の人は、北朝鮮の今の体制について厳しく批判しないといけない。」という橋下知事発言を批判している。その効果として、「その「脅威」に何らかの責任を負う朝鮮人が存在することを示す行為」であり、危険な発言だという趣旨には同意します。
しかし「今の体制について厳しく批判」というのは全く別の意味をも含意しています。そこが橋下の政治家として真に悪辣なところでありそこを突かなければ批判としてまったく不十分であろうと（僭越ながら）思われます。
「北朝鮮籍の人」という表現が法的に不正確であることを笑っているが、それも不十分。（北）朝鮮に帰国した人を家族に持つ人たちが、約４０年間どんな思いで暮らしてきたか、それを隣人としてかすかに感知しつづけてきた中下層の大阪府民の無意識に訴えかける力をこの不正確な表現は持っているのだ。
わたしは当事者から遠いので不正確な表現になったとしたら訂正していきたいが、おおきな不安のうちに朝鮮に家族を送り出した人たちが決定的に裏切られ金銭的にも負担を強いられてきたといった体験を持つ人は少なくない。「今の体制について厳しく批判」という表現は、そうした人たちに対し、ダイレクトにアピールしようとしている。そのような才能を持つ点において橋下氏は悪辣でありファシストと呼ばれるに値するのだ。その暗部を見ないふりをして、上品に上っ面だけで「批判」しても、官僚的作文にすぎないのではないか。
残りの部分については直接回答しませんが、とりあえずの応答とします。
*1:三百万人という数字は不確定。
