松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

「フンデルトヴァッサーと大阪市」

中島氏の一番新しい記事はフンデルトヴァッサーを取り上げている。私はこの人のこと好きなんだが*1、大阪に三つも建築作品があるなんて知らなかった。

Friedensreich Hundertwasser(1928-2000)。
生涯、自然の曲線にこだわり続けた芸術家・建築家である。環境運動と深く関わった芸術家としても知られ、妻が日本人であったことから、日本との関係も深い。
彼の建築作品は、地元のオーストリアに多く残されているが、実は、我が大阪にもその大作がある。「大阪市環境事業局舞洲工場(ゴミ処理場)」、「舞洲スラッジセンター(汚泥処理施設)」、「キッズプラザ大阪」の3点が、それだ。
http://indo.sub.jp/nakajima/?itemid=556

それでも、フンデルトヴァッサーにごみ焼却所と汚泥処理施設の設計を依頼したセンスのよさは、大阪市政史上に残る金字塔である。 (同上)

この両施設は最近大阪市の無駄使いの象徴としてマスコミに叩かれているらしい。

大阪市が今、ここで反省しなければならないのは、「この施設を建てたこと」ではなく、「この施設を十分に生かしきれていないこと」である。

そして、最大の問題は、周辺の環境整備の酷さである。
この両施設の間は、100メートルほどの距離があるが、そこには別の機関の建物が建てられている。この建築物が、あまりにも酷い!!安上がりで凡庸な外装で、奥にある舞洲スラッジセンターの建物を、半分以上、覆い隠してしまっている。フンデルトヴァッサーのメッセージが完全に切断され、窒息死している。
大阪市がこの施設を生かしきれていないことこそ、最大の無駄遣いとして批判されなければならない。

それに対して中島は、上記のように批判の方向性を間違えるなと明確に指摘する。激しく同意したい。

*1:ていうかフンデルトワッサーと表記するのだと思っていた!?