松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

恣意的な「法の不在」

女性国際戦犯法廷を真正面から擁護する論者がいない、と書きましたが、
id:mojimojiさんは、「シンパシーを感じる」と明言し、いろいろ文章をかいておられます。わたしは彼の主張に同意するものですので、簡単に紹介させてもらいます。

一般傍聴を認めていない件
 全面的な一般傍聴を認めるのがベストなんだろうけど、当時、従軍慰安婦の論点で政府を批判する集会は暴力的な右翼シンパが出没してた頃で、
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20050121#p2

一般傍聴がないことの弊害がどのように避けうるかといえば、それは裁判の内容を事細かに公開することによって、かなりの程度なしうるだろう。これについては、(略)『女性国際戦犯法廷の全記録』、『女性国際戦犯法廷の全記録〈2〉』を見ればいい。

弁護側代理人がいない
 これについては、「呼んだけど来なかった」に尽きる。

従軍慰安婦問題については、オランダ人に対する事例を除き、法的責任を一切問われておらず、その調査さえ日本政府はしない(それどころか、妨害さえしていると取られても仕方のない状況さえある)。問題にされているのは、恣意的な「法の不在」なのであり、そのような行為がまかり通っている以上、法を僭称しているのはむしろ政府の側であるという理屈は十分説得力を持っている。

それに対する反論、おおや氏の。
http://alicia.zive.net/weblog/t-ohya/000148.html
(しかし私は「正義は(主に法的な)手続きを通じて構築される・示されるものである」として独立した正義の存在を認めない立場であるから、そもそも前提を共有していない)方の意見。
「正義も各個人の同意に基いて構成されるしかないし、」日本国家が同意しなければ正義は一切成立しないと。