松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

元旦

です。
元旦らしくちょっと清らかな気持ちになる詩でも読みたいと思ったのですが、出てきたのは?

一たび家を出でてより
任運(にんうん)日子を消す。
昨日は青山に住し
今朝城市に遊ぶ。
衲衣(のうい)百余結
一鉢知りぬ幾載(いくさい)ぞ。
錫に寄って清夜に吟じ
席を鋪(し)いて日裡に眠る。
誰れか道(い)う数に入らずと
これ余が身即其れ。(良寛


良寛さんの漢詩。言葉が少し難しいですが、要は「一たび家を出でてより」今でいう路上生活者、ホームレスとしてぼろぼろの服で路上に寝て日々を過ごした、と言っている。数に入らず、とは普通の人間の仲間ではないことと註にある。サバルタンだ。でそれこそが私だと書いている。


むかし、村外れにはよく〈ひじり〉とよばれる人が住んでいて彼らは差別されると同時に尊敬もされていた。
そのようなひとの原型が良寛ですね。