松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

『幻の正義の原点』批判

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20090223#c1235665071
id:tmsigmundさん 上記への応答です。(ひとつ上の「壁と汝と どちらが重いのか?」もあわせて読んでください。)

(正義)←       A B        →(不正義)

仮りにでもあれ、思想というものがこのような一次元の直線としてイメージされ得るということに驚いています。現実というものは、つねに有限の次元としてしか思考できませんが、わたしがn次元で思考している場合常に(n+1)次元の現実によって裏切られると思います。

ABがすぐにも入れ替わるほどの隣り合わせである点では、「幻の『正義の原点』」批判は、よく理解できるつもりです。ただし、その卑小な距離が、あるときには、無限の差であるかのようにも感じてしまいます。わたしはこの感じ方を、問題を含む特殊な感じ方かもしれませんが、否定することができません。

A、Bというのが何の比喩なのかよくわからないのですが、Aが批判されるべき村上の思想で、Bはtmsigmundさんの思想を指すのですか?
わたしは村上の思想は取り上げていないし、そもそも取り上げる必要があると思っていません。スピーチを自己慰安的に消費させないための努力が必要であるだけです。

「今回の村上のスピーチに賞賛を送るのは、もともとのヒューマニズムのそこの浅さが、露呈してしまっているのではないか。」底の浅いヒューマニズムではないtmsigmundさんの思想とは何のか?

 その意味で、「ガザの苦しみと、イスラエル人たちの市民的な苦悩が、同じことか、いや、むしろ後者の方が村上の大きな関心ごとだと述べていることになる」を「見過ごせない」と述べていることを、僕は見過ごすことができません。それって、ガザのパレスチナ人の位置でモノを語っているってことでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090222/p1

、というmojimojiさんの指摘が当たっているでしょう。「この父親が中国戦線で多くの中国人を殺してきたはずだということ」という加害者としての負い目を通じて「ガザのパレスチナ人の位置」に横滑りすることが、正義だと考えられてる。しかしそれは、自己の閉塞感を反転させ、ひとつの幻の焦点を作りその幻の「正義の原点」から世界を語り始めること、にすぎない。

これには、とくに反論いたしません。noharaさんとしては、それでいいと思います。ただし、そういう意味では「壁」は比喩ではないでしょう。非常に具体的現実的な存在です。一方、「卵」についていうと、わたしは基本的には、この手の比喩には、これからも攻撃的言辞を抑えるつもりはありません。

パレスチナ人にとっては日常的存在ですが、私にとってはそうではありません。これを身近に引き寄せようとわたしのブログでは努力してみたわけです。パレスチナ隔離壁は日本ではリアルなものとして存在しておらず、それを引き寄せるためにも比喩は必要です。
「卵の側に立つとは、主体ではなく主体の破壊という危機の側に立つということであり、ヒューマニストという自己を肯定することへの批判である。」という比喩の解釈には批判いただいておりません。

>>「受賞拒否」は、パレスチナ民衆のためになったはずです。
エルサレム賞の権威を傷つけることができればですが、拒否してもそれは難しかったでしょう。

>>それと、わたしが「市民運動の根拠が『ヒューマニズム』でなければならない」と考えている、というのは、どんなところからそう見なされるのか、さっぱりわかりません。
パレスチナ支援者は「パレスチナ人民の立場にたったヒューマニズム」の立場に立つべきだ、としてあなたは、他の参加者を批判した。「パレスチナ人民の立場にたったヒューマニズム」というものは表面的にみれば正しく批判の余地はないかに思える。しかしそうであればこそ、そうした批判が「市民運動に対してこのようなアプローチは不要でありしばしば有害であったことは体験が教えている。」


>>最後に、言わせてもらいますが、なぜ、これほどいちいち人の発言している文脈を、平然と無視したり、あるいは、自分の語っていた文脈を忘却したかのような口ぶりで新たなことを言い募ったりするのでしょうか? 人の言うことなど、ちゃんと読まない、というのが、こういった「ブロガー」のしきたりと習慣なのかもしれませんが、せめて、ご自身の文脈ぐらい、忘れないでいてほしいと思います。
自分が希望するように、他人がその文章を読んでくれないというのは当たり前のことです。繁雑なように見えても、すべての批判は相手の文を引用し、それに対し具体的に批判を加えるべきです。

>>mはあまりにひどいようですが、
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